【220キロ】ビワイチは断念…南湖サイクリング観光とラ コリーナ近江八幡でクラブハリエ満喫旅|滋賀初心者のリアル体験記
初の滋賀ライド。勢いでビワイチ200km完走をねらうも、コンディションとコース判断で方向転換。南湖一周+観光で“満足度はMAX”だった1日の全行程を、初心者視点でわかりやすくレポートします。
この記事でわかること
- ビワイチ(琵琶湖一周)の基本と南北の区分
- 深夜スタートの大阪→京都→滋賀ルートの実走感
- 大津での判断転換と“南湖観光一周”の実際
- 近江神宮・BIWAKOモニュメント・ラ コリーナ近江八幡の見どころ
- 瀬田の唐橋を経由する南湖ハイライト
- 補給・装備・季節要因など初心者が気をつけたいポイント
ビワイチとは?初心者にもわかりやすく要点だけ
「ビワイチ」は、琵琶湖をぐるっと1周するサイクリングの愛称。琵琶湖大橋を境に、北湖(ほっこ/こほく)と南湖(なんこ/こなん)に分けて語られることが多く、全周はおおむね約200km。完走を狙うなら自分の体調管理が重要です。11月3日が「ビワイチの日」とされ、スタンプラリーなどの催しもあり、秋は特に人気シーズン。
初心者メモ:まずは南湖(約50km)で景色と導線を体感 → 次に北湖を追加して距離を伸ばす段階攻略がオススメ。
出発は深夜1時半:大阪から淀川を北上するナイトライド
2023年11月4日。目覚ましより30分早く目が覚め、そのままAM1:30に出発。市内を抜けて淀川の河川敷サイクリングロードへ。ここは信号がなく路面も比較的安定しており、京都までの“移動レーン”として優秀。ただし深夜は視界が狭く静寂。ライトとリフレクターは必須で、単独なら慎重さを最優先に。


道中の明かりは思っている以上に明るいので深夜には明るいことに越したことないと思いました。
おおむね1時間半で京都入り。気温は低めだが、巡航していると上半身は温かい一方、指先足先は冷えがち。薄手の手袋にインナーグローブを重ねるなど、末端対策が効きます。


京都を静かに通過:東へ、そして山科へ
未明の京都市街は信号と路面段差でペースが乱れがち。とくに七条〜東山方面はじわじわ登り。自転車可のアンダーパスや歩道橋下を選びつつ、花山洞方面へ。クルマ用トンネルは路肩が狭い箇所もあるため、時間帯と交通量に応じて安全優先でルート選択を。


山科を経由して京都東IC付近から1号線方面へ。ここからは上り下りが続き、脚とメンタルに少しずつ効いてきます。とはいえ、夜明け前の空気は澄んでいて心地よい時間帯でもあります。
大津駅に到着、しかし…:ビワイチ断念のリアル
AM5:30、滋賀・大津駅に到着。達成感と同時に、ここで想定外の違和感。明け方の冷えと暗さ、そしてスタートからの連続走行で身体が“急に重たく”なる感覚。睡魔はないが、脚が回らない。
このおかしい感覚がなにかわからない。
スケジュール上はビワイチに突入できるタイミングだったものの、ここで欲張らず撤退判断。ロングライドでは「行けそうに見える時こそ、勇気ある撤退」が結果的に安全と満足度を高めます。


判断理由まとめ
- 夜間走行で末端が冷え、筋出力が落ちていた
- この先の風向・距離・補給ポイントの確実性
- 復路の安全確保(帰りの登坂が控える)
- 初めての滋賀県入りで満足してしまったか
- 補給食を取らなかったためのハンガーノック?
近江神宮へ寄り道:朝の静けさを吸い込む参拝ライド
気持ちを切り替え、観光ライドへ。
まずは、近江神宮へ。琵琶湖岸の自転車道は反時計回りが推奨導線だけれど、目的地の関係で時計回りに進行。早朝の境内は凛としていて、参拝者の方々と交わす挨拶に心が緩む。主祭神は天智天皇。歴史の空気を胸いっぱいに吸い込むと、さっきまでの重さが不思議と軽くなる。


BIWAKOモニュメントへ:琵琶湖大橋を渡る小さな冒険
つぎの目的地はBIWAKOモニュメント。琵琶湖大橋は車の通行振動がダイレクトに伝わり、橋上風もあってスリリング。ただ、真ん中から眺める湖面はまるで海。橋を渡り切ってモニュメントに到着したのはAM7:50。ここでようやく朝ごはんのおにぎり休憩。気持ちも脚も“観光モード”に切り替わる。



ビワイチ導線の目印:路面の青いラインが基本レーン。左寄りはゆっくり、車道側は巡航スピードと暗黙の棲み分けが機能している区間も。


ラ コリーナ近江八幡へ:クラブハリエの“できたて”で補給
「せっかく滋賀まで来たなら」と思い出したのがクラブハリエ。BIWAKOモニュメントから約19km、開店時刻にぴったり届く計算。ビワイチ道を外して市街へ入ると、緑に包まれたラ コリーナ近江八幡の独特な景観が現れる。芝屋根の建物、連なるショップ群、そしてバームクーヘン工房。


店員さんに確認すると外のベンチで“できたて”をいただくのもOKとのこと。ひと口で広がる卵とバターの香り、やわらかな層が自転車で消耗した体に沁みる。併設のたねやでは季節菓子も充実。気づけば40分以上滞在していたほど、見て歩くだけで楽しい。




周辺スポット:日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)クラブハリエ/たねやの近くにある古社。七五三の時期は家族連れで賑わい、境内から城下町の気配が感じられる。参拝で背筋が伸び、再びペダルを踏む力が湧く。


南湖一周へ復帰:湖岸の“なにもない”が最高のご褒美
ラ コリーナから湖岸へ戻り、時計回りで南湖一周へ。午前10時台の気温は21℃前後で非常に走りやすい。湖面に映る雲、キャンプサイト、メタセコイアの並木、ボートの練習風景――テンポよく移ろう景色に、つい心拍も上がる。脚を止めて深呼吸したくなる“余白の景色”が琵琶湖の強みだ。




瀬田の唐橋:ビワイチの象徴を渡る
南湖のハイライトのひとつ、瀬田の唐橋に到着。ここは「急がば回れ」の故事で知られ、ビワイチの出発地モニュメントもある。橋の上は交通量が多い時間帯もあるため、歩道の幅や通行人に気を配りながら慎重に渡る。短い休憩を挟んで、ゴールの大津駅へ。


南湖達成!復路は“あの登り”が待っている
大津駅に戻って南湖一周クリア。朝方は断念しかけたのに、観光を織り交ぜた結果、気持ちよく走り切れた。とはいえ、帰路のキモは京都側の登坂。渋谷街道の急坂などは足を削るので、ケイデンス重視で淡々と刻むなど、脚を残す工夫が効く。
登り切った後は長いダウンヒル。スピードの出過ぎに注意し、ブレーキの熱ダレを避けるためにも指の位置と荷重配分をこまめに調整。山科を抜ければ、七条までは下り基調&フラットで呼吸を整えられる。




ご褒美は横綱ラーメン:塩気と炭水化物が体に染みる
京都南インター近くで横綱ラーメンへ。ラーメン+チャーシュー丼の鉄板コンビに、ネギとにんにくを少し足してエネルギーをチャージ。クラブハリエから約5時間ぶりのしっかり補給だったこともあり、塩分と炭水化物が全身に行き渡る感覚。ここで整えたことで、復路の集中力が格段に上がった。


あとは帰るだけ:淀川を南下し、あべのハルカスが見えたらゴール
午後の淀川は明るく、人も多い。野球、サッカー、ランナー、釣り人――河川敷の賑わいを横目に、信号のないサイクリングロードを淡々と南下。枚方の観覧車、毛馬の水門を過ぎ、街の騒がしさが戻ってくる。PM5:30、あべのハルカスが視界に。その瞬間に全身の緊張がふっと抜けた。


この日の走行は約220km。走行時間はおよそ17時間。帰宅後の入浴と軽いストレッチで全身をケアし、日本シリーズを横目にうたた寝。こうして長くて濃い1日が終わった。


実走データと所感:なぜビワイチを断念して正解だったのか
走行距離
約220km(大阪⇄滋賀往復+南湖一周+観光寄り道)
走行時間
約17時間(休憩、観光含む)
主な補給
おにぎり、クラブハリエ(バームクーヘン)、横綱ラーメン+丼
ウエア
深夜〜早朝は末端冷え対策が要。薄手インナー+長袖、指先保温が肝。
ビワイチ完走は“距離×環境×回復の管理”。今回は深夜出発で末端冷え&明け方の気温低下が想定以上。さらに復路の登坂を考えると、南湖へ切り替えた判断は妥当でした。結果として「観光を楽しみつつ220km」という満足度の高い体験に。ロングライドは、完走よりも“楽しく安全に帰る”が正義です。
初心者へのアドバイス:これだけは準備しておきたい
- ライト&予備バッテリー:夜間は路面状況の読み取りが命綱。
- 末端保温:手先・つま先の冷えは出力と集中力を直撃。
- 補給の“リズム”:空腹になる前に小刻みに摂取。塩分+糖をセットで。
- プランBの用意:ビワイチ断念→南湖観光など、代替案を持つと心が折れない。
- 復路の登りを逆算:行きの元気で距離を伸ばし過ぎない。必ず“帰りの登坂”を思い出す。
立ち寄りスポット情報(メモ用)
近江神宮
〒520-0015 滋賀県大津市神宮町1-1/時間:6:00〜18:00/駐車場あり。人が少ない早朝は自転車も端に停めて短時間参拝がしやすい。

BIWAKOモニュメント
〒524-0101 滋賀県守山市今浜町 さざなみ街道沿い/24時間。人気のフォトスポット。順番待ちの配慮を。

ラ コリーナ近江八幡(クラブハリエ/たねや)
〒523-8533 滋賀県近江八幡市北之庄町615-1/9:00〜18:00。自然と建築が一体になった空間。できたてバームは必食。

日牟禮八幡宮
〒523-0828 滋賀県近江八幡市宮内町257/8:00〜17:00。近江商人ゆかりの古社。ラ コリーナからもアクセスしやすい。

瀬田の唐橋(ビワイチ出発の地モニュメント)
〒520-2134 滋賀県大津市瀬田1-27-1周辺/24時間。交通量に注意して渡橋を。

ラーメン横綱 京都南インター店
〒612-8463 京都府京都市伏見区中島御所ノ内町23/11:00〜翌5:00。塩分・炭水化物の補給に最適。

ポケモンマンホール(大津・色違いギャラドス)
滋賀県大津市 島の関14 付近/24時間。湖岸散歩のついでに探すのが楽しい。

まとめ:完走だけがゴールじゃない。観光×ロングで“最高の1日”に
今回はビワイチ完走は見送り。けれど、南湖一周+クラブハリエ+神社参拝+瀬田の唐橋と、滋賀の“濃いところ”をたっぷり味わえた。ロングライドは距離の数字より、帰宅後の満足感と無事に帰り着いた事実がご褒美。2府4県ライドの目標も達成し、次は北湖や彦根、マキノのメタセコイア並木など、新しいルートを段階的に攻めたい。
“観光+サイクリングを日帰りで”。このテーマで地図を眺める時間もまた、旅の一部。次はどこへ行こう―そう思えたら、もう旅ははじまっている。